白鳥に憧れる烏

ただのオタクが雑多に綴る日記

王様の鳥籠&化け物の恋 感想

 


楽しみにしていたソーニャさんの新刊。

後に読んだ『化け物の恋』に気持ちを引きずられてしまったので先にそちらの感想を書く。

 

だめ。あれはだめだ。悲しい話は嫌いじゃないけれど、あれはあまりにも救いがない。いや、救われたようなラストではあった。でも私は救われなかった。

NTRがだめなんじゃない。NTRにすらなってないからだめなんだ。すべてを他人に貪り尽くされた。
それでも清い心のままで一緒に死ねたらまだよかった。二人は死ななかった……。そんな……。あんな運命でまだ生き続けなきゃいけないなんて。
絶望を感じた。確かにヒロインはヒーローと心身共にようやく結ばれて、生きててよかったと思ったんだろうけど、消化できない。
ならなぜ生きてほしいと言ってくれなかったんだろう。
一緒に死のうではなく、それでも一緒に生きようとヒーロー自ら言ってくれていたら、この先の未来にも希望が見えたかもしれない。
しかしそんな言葉はなかった。今までと同じように周りに生かされているように見える。二人が自ら選んだ生ではない。どこまで利用されるつもりなのか。

ヒロインの声が出ないことも痛々しい。圧倒的弱者。弱いものはここまでされないと生きてはいけないのか。

視点がヒロインであればまだ許容できたのかもしれない。客観的に見てしまうから、どうしようもできない悲惨さが増している。ああ、無情。

 

ヒロインが酷い目に合う前に、狡猾な策略で犯人を陥れ憎悪と嘲笑を浮かべながら粛清するソーニャヒーローが好きなんだ。
気づかず何もしてなかったヒーローなんて……。
そんなヒーローも勿論いてもいい、でも私はそれを求めていない。

求めているのは、ヒロインに対して歪んだ愛情を持つヒーローと、偏った欲望が根底にあるときめくストーリー。

意外性は面白いのかもしれないが、王道が読みたいんだ。似通った話でも構わない、それが好きな世界観や物語なら飽きることはない。偏食なのでね。


『化け物の恋』の中で一番好きだったのは3つ目の『恋廓あやし絵図』。
これも悲しいお話だった。でも凄く好きなラストだった。遺品から見つかった絵のシーンで泣いてしまった。あの世で幸せになれたんだってわかるから。彼にはそういう力があるって思えるから。この本のタイトルは、化け物の恋。
遊郭モノは他の男に抱かれてしまうことがほぼ確実だから苦手なんだけど、これでよかった思える……。
ただの悲しいストーリーではなくて、葉月先生ならではの癖も含まれていた。『狡猾な被虐愛』が大好きなので、いつか同じ題材でラブラブしてほしい。

 

 

『王様の鳥籠』。
鈴ノ助さんの世界観が強かった。絵に合わせて書いたのかなと思うくらい。
あとがきにも書かれていたけれど、桜井さんのヒーローでは初めて見るタイプのヒーローだったと思う。周りの人間が怯えるピリッとした空気好き。森の中で二人が見つけられたシーンで誰も近づけなかったところも好き。
陰謀犯は、らしかったのと、良心があって心底安心した。読みながらヒロインと一緒に傷ついてたから。
桜井さんの罠のはめ方が大好き。メイン二人以外の人物がはめることも多いけれど、できればヒーローがやってほしい。かっこいいヒーローが見たい。
絵柄もあって今回は可愛いカップルだった印象。すれ違いが解消される時の口喧嘩?も可愛い。
ヒロインが何をされても悪態つかずにヒーローを信じたところ、聖女だった。天使だった。好き。ああいう健気な子がもっと見たい。

 

感想以上。

 

来月はどんな本かな。かっこいいヒーローだといいな。
本を一冊書ききれる人はすごい。自分は書いてるうちにわけわからなくなるし落とし方もよくわからない。心から尊敬する。
それなのに、ネガティブな感想を抱いたら隠すことができない。嫌な性格だと思う。


エゴサされている気がする。日陰の人間の言うことを真に受けないでほしい。